こんにちは!ご無沙汰しております…こはるらぼのこはるです!
9月初めより実施しておりました、異業種三者共同の実証実験「ニワトリにコオロギを食べてもらったら」が無事に完了いたしました~!
ので、、、
そこで得られた結果を!みなさんにどどんと公開したいと思います(`・ω・´)ゞ
実証実験の内容については、前回投稿の”実証実験を開始しました”でご紹介しておりますので、ご存じない方はそちらからご覧いただけると幸いです♩
▼ 実証実験の内容はコチラ ▼
で、結果ってなにがあるのかといいますと…
\こんなラインナップ/
■ 実験中の様子 ■
・コオロギ飼料の調製
・コオロギ飼料の給餌
・コオロギたまごゲット!
+各実験段階での気付きなど
■ コオロギたまごの評価 ■
①味
②品質
③栄養
それでは順番にみていきます(`・ω・´)ゞ
■ 実験中の様子 ■
では実験中の様子から…
まずは、「コオロギ飼料」をつくるところから「コオロギたまご」をゲットするところまでの様子のダイジェストを動画でどうぞ(。-`ω-)
▼ 再生ボタンをクリック ▼
今回のように、生き物に協力してもらって進める実験は初めての経験だったので…
わくわくの半面、不安もありました。
ですが、全工程大きな問題なくスムーズに進み、ニワトリさんたちの健康状態も変わりなく終了することができ、
かかわってくださったたくさんの方々に本当に感謝しています(´・ω・`)
、、、
さて、ここで実験中(卵ゲットまで)の気付きを共有したいと思います!
~実験中に気付いたこと~
1.コオロギ飼料、いい香りでおいしい
完成したコオロギ飼料の香りが良すぎて、おもわずペロリ、、、人の味覚でもふつうにおいしかったです。
2.コオロギ飼料、ちょっと食べにくそう?
農家さん曰く、食事後の餌入れにコオロギパウダーらしきものが少し残っていたことがあったそうです。飼料に混ぜたコオロギは、細かいパウダー状に加工したもの。ニワトリはくちばしで食べるので、細かいパウダーはちょっと食べにくかったのかも。
3.ちゃんと卵、産んでくれるんだ!
コオロギ飼料は通常飼料の配合をいじったもので、卵の殻のもととなるカルシウムを多く含む”魚粉”を、通常飼料で5.4%のところコオロギ飼料では0%にしています。ですので、ちゃんとした卵が出来がってくるのかすら少し不安でしたが…無事産んでくれました。産卵数も通常時と変わりありませんでした。
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以上の3点が実験中に得た主な気付きです(`・ω・´)
3つめにも書いたように、卵を産んでくれなくて終了…なんていう最悪のケースも一応想定はしていたのですが、そうならなくて良かったです(´-ω-`)
ではここからはお待ちかね、コオロギたまごの評価をみていきましょう!
今回は卵を評価するにあたって、【味・品質・栄養】の3要素に分けて評価することにしました。
■ コオロギたまごの評価 ■
比較用として通常卵を用意して、コオロギたまごと同様の評価を行いました。
※コオロギたまご:ニワトリに【コオロギ8%・魚粉0%配合した”コオロギ飼料”】を2週間連続して給餌してできた卵。
※通常卵:ニワトリに【コオロギ0%・魚粉5.4%配合した”通常飼料”】を2週間給餌してできた卵。
※通常飼料とコオロギ飼料中の、コオロギ&魚粉以外の原料構成はほとんど同じ。
では、順番にみていきますよ~
①味
〈 評価方法 〉
人の感覚での評価方法として”試食”、機械による科学的な評価として”味認識装置による味覚分析”の2種類の方法で評価しました。
~試食の方法~
卵料理のプロフェッショナルである〈キッチンうふ〉中居シェフに、コオロギたまご&通常卵をそれぞれ様々な料理に調理してもらいました。
▼ 試食した、コオロギたまごを使った料理たち。これに加えて生卵でも試食しています。
〈 試食の結果 〉
多くの試食者が「生のまま食べると醤油のような出汁感・コクを感じる」とコメントしました!
加熱調理するとほとんど違いを感じることはできませんでしたが、プリンについては「通常卵よりあっさりしている」や「コオロギの味が鼻を抜ける」といったコメントがありました。
明確に違うとまではいきませんでしたが、試食者のほとんどが同じような違いの感じ方をしていたので、驚きました!
~味覚分析の方法~
味認識装置でコオロギたまごの味の特徴を数値化しました。
味を数値化するなんて、面白い装置ですよね。
実用例としては、食品会社で食品のロット間での味の差がないかの検査に使用したりしているそうですよ(`・ω・´)
〈 味覚分析の結果 〉
数値が1違うと、人の味覚でも分かる違いだそうなんですが…
今回の結果だと最大で0.26の違いだったため、コオロギたまごと通常卵では「人が分かるような味の違いは無い」という結果だったといえますね。
〈 味の評価まとめ 〉
人の感覚と機械の出した数値の間でギャップはありましたが…
己の味覚を信じると、コオロギたまごは”醤油のような出汁っぽいコクのある味”と言えますし、
試食ではコオロギたまごに対するマイナスなコメントはなかった(プリンでコオロギの味を感じたmiyakeを除いて(>_<))かつ、味覚分析でも違いは出なかったので…
コオロギを給餌しても味の質を保った卵が生産できるという捉え方もできると思います!
②品質
〈 評価方法 〉
卵の品質を構成する4項目(外観・卵殻・卵黄・卵白)を卵質測定によって評価しました。
〈 卵質測定の結果 〉
卵殻強度について、
サンプルの卵10個の平均値では卵殻強度の最低限度3.0~2.0をクリアしていましたが、内訳をみてみると最低限度を下回っている卵がありました。
考えられる原因としては以下の2つでしょうか…
○ニワトリの日齢によるもの:高齢だと強度が下がるパターン
○コオロギ飼料の配合によるもの:卵殻をつくるのに必要な栄養が足りていなかったパターン
後者だとすると、ニワトリの健康にもかかわってくる可能性があるので、要注意ですね(゜-゜)
③栄養
〈 評価方法 〉
基本栄養成分の成分分析
〈 栄養分析の結果 〉
特筆すべき違いはありませんでした。
以上が実証実験で得た結果です(`・ω・´)
いかがでしたか?
想像より地味な結果(無知ゆえに劇的な変化を期待しちゃってた節はあります)になりましたが、これだけ飼料配合を変えてもほとんど同じ品質の卵ができるのも、ある意味面白い結果だと思いました。
あとは、試食で感じた”出汁っぽいコク”を数値として表現できたら最高だったのですが、なかなか難しいことなんだなあ…と、人の感覚を数値化することの難しさを痛感しました(´-ω-`)
実験結果の個人的な感想はそんな感じです!
この実証実験、はじめは「ニワトリにコオロギを給餌したら面白い卵できないかな?」という純粋な好奇心でしたが…
今回一緒に取り組んでくださった養鶏農家の〈ファームアグリコラ〉水野様と出会って、打ち合わせを重ねて計画を練っていくうちに、養鶏業界の知識や直面している課題をたくさん教えていただきました。
そのなかで、「コオロギの可能性」に期待してくれている方々の存在を再認識し、koharu lab.のすべきことについて改めて深く考えることができました。
koharu lab.は興味にまっすぐ、知りたいことを自由に研究していますが、その結果が誰かの必要とする答えになったら素敵だなあと思います。
長くなりましたが、、、
今回の結果についてのご意見やご質問、コオロギでこんなことしてみたい!といったお声がけ、シンプルに「おつかれ~」も大歓迎ですので、コメントお待ちしてます(´へωへ`*)
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
ではまた!